防犯カメラ入替で既存配線を流用できる条件|同軸・LAN・電源を確認

トラブル対応

防犯カメラを入れ替えるとき、「現在の配線をそのまま使えないか」と考える法人担当者は多いでしょう。

既存配線を流用できれば、新たにケーブルを引く工事を減らせるため、工事費や作業時間を抑えられます。店舗やオフィスでは、天井や壁を開口する工事を減らせる点もメリットです。

ただし、配線が残っているだけで流用できるとは限りません。

現在のカメラと新しいカメラの規格が違う、ケーブルが劣化している、伝送距離が長い、端子の状態が悪い、PoEの給電条件を満たさないといった理由で、部分的または全面的な配線工事が必要になることがあります。

この記事では、法人・個人事業主の管理担当者に向けて、次の内容を解説します。

  • 既存配線を流用できるか判断するポイント
  • 同軸ケーブルを流用する条件
  • LANケーブルを流用する条件
  • 電源・PoEで確認すること
  • 配線を流用しないほうがよいケース
  • 流用案と新設案を比較する方法

最終的な流用可否は、使用する機器と現場の配線状態を確認して判断します。

※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。掲載内容は執筆時点の情報をもとにしています。機器の仕様、工事条件、保証、サービス内容は変更されるため、依頼前にメーカーや事業者の公式情報をご確認ください。

結論|既存配線の流用は5つの条件で判断する

防犯カメラの既存配線を流用できるかは、主に次の5項目で判断します。

確認項目確認する内容
配線規格同軸・LANなど、入れ替え後の機器構成に対応するか
配線状態被覆、腐食、水分、断線、接続部分に異常がないか
伝送距離使用する規格の伝送条件を満たしているか
端子・成端BNC、RJ45などの接続部分が正常か
電源・給電個別電源、集中電源、PoEなど新しい機器に対応できるか

つまり、「ケーブルが残っている=そのまま使える」ではありません。

既存配線を流用する場合でも、端子の交換や再成端、一部区間の引き直し、PoEスイッチの交換などが必要になることがあります。

入れ替え工事では、「全部流用」か「全部新設」かの二択ではなく、状態のよい区間だけ残す部分流用も選択肢になります。

まず現在の配線方式を確認する

入れ替えを検討するときは、現在のカメラがどのような配線で接続されているか確認します。

代表的な構成は次の3つです。

配線主な構成確認する場所
同軸ケーブルアナログカメラ、アナログHDカメラ+DVRDVR背面のBNC端子
LANケーブルIPカメラ+NVR、PoEスイッチNVR・スイッチのRJ45端子
電源配線個別ACアダプター、集中電源カメラ付近、電源ボックス

BNCは、同軸ケーブルで使用される代表的な接続端子です。

RJ45は、LANケーブルで使用されるコネクターです。

PoEは、LANケーブルを通じて通信と電力供給を行う方式です。

古い施設では、同軸とLANが混在していたり、増設を繰り返したことで配線系統が分からなくなっていたりすることもあります。

図面が残っていないときは、まず次の情報を確認してください。

  • レコーダーのメーカー・型番
  • カメラ台数
  • レコーダー背面の写真
  • カメラ設置場所
  • 配線が集まっている場所
  • PoEスイッチや電源ボックスの有無

これだけでも、業者へ相談するときの初期情報になります。

同軸ケーブルを流用できる条件

現在が同軸ケーブルを使用した構成で、入れ替え後も同軸を利用する方式を採用するなら、既存配線を残せることがあります。

たとえば、アナログ方式からAHD、HD-TVI、HDCVIなど、同軸ケーブルを利用する高解像度方式へ更新する構成です。

ただし、カメラとレコーダーが同じ映像方式や解像度へ対応している必要があります。

同軸配線で確認すること

  • ケーブルの種類と状態
  • 配線距離
  • BNC端子の状態
  • 屋外部分の防水処理
  • 中継・ジョイント箇所
  • 新しいカメラとレコーダーの対応方式
  • 必要な解像度を伝送できるか

古い同軸ケーブルでも正常に使用できるケースはありますが、ケーブルの種類や距離、劣化状態によって伝送品質は変わります。

特に屋外、屋上、地中配管などを通る配線では、水分や腐食、被覆の劣化を確認してください。

端子部分だけが劣化しているなら、ケーブル全体を交換せず、BNC端子を再施工して対応できることもあります。

同軸配線のままIPカメラへ変更できるか

一般的なIPカメラはLAN接続を前提としているため、同軸ケーブルへそのまま接続することはできません。

既存の同軸配線を残したい場合は、Ethernet over Coax(EoC)などの変換機器を使用する方法があります。

ただし、変換機器を使用すると、

  • 変換機器の購入費
  • 設置スペース
  • 対応する伝送速度
  • 給電方式
  • 機器同士の互換性

を確認する必要があります。

製品によっては同軸経由で通信と給電を行える構成もありますが、すべてのIPカメラや既存同軸配線で利用できるわけではありません。

カメラ台数が多い、今後さらに増設する、高解像度化を進めるといった計画があるなら、変換機器を追加する案とLANケーブルを新設する案を比較してください。

LANケーブルを流用できる条件

現在がIPカメラ構成で、既存LANケーブルの状態と仕様が新しい機器の条件を満たしていれば、配線を流用できます。

LAN配線では、次の項目を確認します。

ケーブルカテゴリー

Cat5e、Cat6など、使用しているLANケーブルのカテゴリーを確認します。

必要なカテゴリーは、カメラの解像度だけでなく、通信速度、ネットワーク構成、使用機器によって決まります。

「高解像度だから必ずCat6へ交換」とは限りません。

現在の配線が必要な通信条件を満たしているかを確認して判断します。

配線距離

一般的な銅線LANによるEthernet接続では、機器間の配線距離を100m以内に収める構成が基本です。

距離を超えるときは、

  • 中間スイッチ
  • 光ファイバー
  • 対応する延長機器

などを検討します。

倉庫、工場、駐車場、大型施設では、カメラからレコーダーやネットワーク機器までの距離を確認してください。

RJ45端子と配線状態

ケーブル自体が利用できても、RJ45端子の施工状態が悪いと通信が不安定になります。

  • コネクターの破損
  • 接触不良
  • ケーブルの折れ
  • 強い圧迫
  • 水分の侵入
  • 不適切な中継

がないか確認します。

必要に応じて、ケーブルテスターなどを使用した確認や再成端を行います。

PoEを利用する場合は給電条件も確認する

IPカメラの入れ替えでは、LAN配線だけでなくPoEの給電条件も重要です。

確認するのは次の項目です。

  • PoE規格
  • 1ポートあたりの供給電力
  • PoEスイッチ全体の給電容量
  • 使用するポート数
  • カメラ側の必要電力
  • 配線距離

IEEE 802.3af、802.3at、802.3btなど、PoEには複数の規格があります。

新しいカメラが要求する電力に対してPoEスイッチ側の供給能力が不足すると、正常に起動しない、夜間だけ停止するといった問題につながります。

特に赤外線照明、ヒーター、ワイパーなどを搭載する屋外カメラでは、消費電力を確認してください。

電源配線を流用するときに確認すること

同軸カメラやPoEを使用しない機器では、映像配線とは別に電源が必要です。

確認するポイントは次のとおりです。

集中電源方式

複数のカメラへ電源ボックスから給電している場合は、新しいカメラの電圧・消費電力に対応できるか確認します。

個別電源方式

カメラごとにACアダプターを使用している場合は、コンセント位置や防水処理を確認します。

PoEへ変更する場合

同軸+電源線からIPカメラ+PoEへ変更すると、既存のカメラ用電源線を使用しなくなることがあります。

ただし、PoEスイッチを設置する場所には電源が必要です。

コンセント増設や電源配線の変更を伴うときは、工事内容に応じて専門業者へ確認してください。

既存配線を流用しないほうがよいケース

既存配線が物理的に残っていても、新設または部分的な引き直しを検討したほうがよいケースがあります。

屋外配線が劣化している

被覆のひび割れ、腐食、水分侵入、防水処理の劣化が確認された配線です。

入れ替え直後は映像が表示されても、その後に通信・映像トラブルが発生する原因になります。

配線経路を確認できない

増改築や過去の追加工事によって、どのケーブルがどのカメラへ接続されているか分からない状態です。

調査しても配線経路を追えないときは、新しい経路で配線したほうが工事後の管理を整理できます。

中継や継ぎ足しが多い

複数の接続箇所があると、接触不良や水分侵入の原因が増えます。

流用する場合は、中継部分も含めて確認してください。

カメラ位置を大きく変更する

既存配線を利用できても、新しい設置位置まで届かなければ延長または引き直しが必要です。

防犯上必要な位置より「既存配線が届く場所」を優先すると、撮影範囲が不十分になることがあります。

将来の増設計画と合わない

現在の入れ替えだけなら流用できても、数年以内にカメラを増設する予定があるなら、新しい配線方式へ統一したほうが設備管理を簡素化できることがあります。

既存配線を流用できるかは現地調査で確認する

既存配線について、担当者が確認できるのは主に次の情報です。

  • 同軸かLANか
  • カメラ台数
  • レコーダーの型番
  • PoEスイッチの有無
  • 配線の見える範囲の状態
  • 屋内・屋外の設置場所

一方、次の項目は現場での確認が必要です。

  • 隠ぺい配線の経路
  • 実際の配線距離
  • ケーブルの劣化状態
  • 通信品質
  • 端子の施工状態
  • 電源・PoEの容量
  • 新しい機器との互換性

そのため、入れ替え工事では最初から「既存配線を全部流用する」と決めるのではなく、流用できる区間と交換する区間を現地調査で分ける方法が現実的です。

法人・個人事業主が、既存配線を確認したうえで防犯カメラの入れ替え方法を相談できる業者を探すサービスがあります。

問い合わせ後、現在の設備や現地条件を確認する電話連絡が入ることがあります。

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流用案と新設案は同じ条件で比較する

既存配線を流用する案と、新しい配線へ交換する案を比較するときは、カメラ台数や録画条件をそろえてください。

比較項目流用案新設案
配線工事流用区間と交換区間を確認新設する経路と距離を確認
機器構成既存配線へ対応する機器を確認新しい方式で機器を選定
初期費用配線工事を減らせる配線工事費が加わる
保証流用部分の保証範囲を確認新設配線を含む保証を確認
将来の増設現在の配線で対応できるか確認増設余地を含めて設計
工事時間配線状態によって変わる配線経路によって変わる

特に確認するのが、既存配線に起因する不具合の保証範囲です。

新しいカメラとレコーダーには保証が付いていても、流用した既存配線の不具合は対象外となる契約もあります。

見積書では、

  • どこまで流用するのか
  • どこを交換するのか
  • 流用後に不具合が出たときの扱い
  • 追加工事が必要になったときの費用

を確認してください。

現地調査の前に整理する情報

業者へ相談する前に、次の情報を整理します。

  • 既存レコーダーのメーカー・型番
  • カメラ台数
  • カメラの設置場所
  • 屋内・屋外の区分
  • レコーダー背面の写真
  • PoEスイッチや電源ボックスの有無
  • 現在の録画保存日数
  • 入れ替え後に必要な保存日数
  • カメラ増設の予定
  • カメラ位置変更の有無
  • 作業可能な時間帯
  • 録画を停止できる時間
  • 賃貸・テナントの場合は工事承認の状況

古い設備をどこまで残すか迷っている場合は、古い防犯カメラの入れ替え費用|既存配線・レコーダーを流用できる条件も参考にしてください。

施設別に確認するポイント

店舗

営業時間中に工事を行う場合は、録画停止時間と天井内作業の範囲を確認します。

化粧天井では、点検口の位置によって配線工事の方法が変わります。

オフィス

防犯カメラ用ネットワークと社内LANをどのように分けるか確認します。

社内ネットワークを利用する場合は、情報システム部門の運用ルールも確認してください。

倉庫・工場

配線距離、高所作業、粉塵、振動、動力設備周辺の配線経路を確認します。

広い施設では、LANケーブルだけで構成するのか、光ファイバーを含めるのかも検討します。

駐車場・屋外

屋外ケーブルの劣化、防水処理、地中配管、ポール内部の配線状態を確認します。

地中配管に水がたまっていたり、配管が詰まっていたりすると、新しいケーブルを通せないことがあります。

マンション・テナントビル

共用部を配線経路として使用する場合は、管理会社やオーナー、管理組合への確認が必要になることがあります。

工事日程を決める前に、設備の所有区分と工事申請の有無を整理してください。

よくある質問

既存配線を流用すれば工事費は安くなりますか?

新しい配線工事を減らせれば、その分の工事費を抑えられます。

ただし、端子交換、一部区間の引き直し、変換機器の追加が必要になると、想定ほど差が出ないこともあります。

流用案と新設案を同じ機器条件で比較してください。

同軸ケーブルのままIPカメラへ入れ替えられますか?

EoCなどの変換機器を利用して既存同軸を活用する方法があります。

ただし、使用できる機器、伝送性能、給電方式を確認する必要があります。将来の増設も含め、LAN新設との比較が必要です。

図面が残っていなくても相談できますか?

レコーダーの型番、カメラ台数、設置場所、機器や端子の写真があれば、初期相談はできます。

配線系統が不明な部分は現地で確認します。

カメラ位置を変更しても既存配線を流用できますか?

既存ケーブルが新しい設置位置まで届き、配線経路を確保できれば利用できます。

位置を大きく変更する場合は、一部または全部の引き直しが必要です。

流用した既存配線も保証されますか?

保証範囲は業者や契約によって異なります。

新設した機器のみが保証対象となり、既存配線に起因する不具合は対象外となる契約もあるため、見積もり段階で確認してください。

次にすること

防犯カメラの既存配線を流用したいときは、次の順番で進めます。

  1. 現在の配線が同軸かLANか確認する
  2. レコーダーのメーカー・型番を確認する
  3. カメラ台数と設置場所を整理する
  4. 屋外部分など目視できる配線状態を確認する
  5. 入れ替え後のカメラ台数と必要な保存日数を決める
  6. 現地調査で配線状態・距離・端子・給電条件を確認する
  7. 流用できる区間と交換する区間を分ける
  8. 流用案と新設案を同じ条件で比較する

既存配線を残せるかどうかは、ケーブルの種類だけでは判断できません。

法人・個人事業主が、既存設備を確認したうえで、部分流用と配線新設の両方を相談できる防犯カメラ業者を探す方法があります。

問い合わせ後、設備構成や現地条件を確認する電話連絡が入ることがあります。

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