古い防犯カメラの入れ替え費用|既存配線・レコーダーを流用できる条件

トラブル対応

古い防犯カメラを入れ替える際、費用を左右するのは新しいカメラの価格だけではありません。既存の配線、レコーダー、電源、配管、モニターをどこまで流用できるかによって、必要な機器と工事範囲が変わります。

同じ台数の入れ替えでも、「カメラだけ交換する工事」と「配線・レコーダーを含めて更新する工事」では、見積もりの前提が異なります。総額だけを比べるのではなく、流用する設備、新設する設備、撤去する設備を分けて確認してください。

この記事では、店舗・オフィス・倉庫・工場・駐車場・マンションなどで防犯カメラの更新を担当する法人・個人事業主に向けて、次の内容を解説します。

  • 入れ替え費用を構成する項目
  • 既存配線やレコーダーを流用する条件
  • 工事費が上がる条件
  • 見積書で比較する項目
  • 複数社へ同じ条件で見積もりを依頼する準備

防犯カメラは、犯罪や事故を完全に防ぐ設備ではありません。映像の記録と抑止を補う設備として、設置場所、録画期間、保守体制を含めて更新計画を立てます。

※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。掲載内容は執筆時点の情報をもとにしています。機器の仕様、工事内容、保証、サービスの利用条件は変更されるため、依頼前に各事業者の公式情報をご確認ください。

古い防犯カメラの入れ替え費用は流用範囲で変わる

入れ替え費用は、主に次の項目で構成されます。

費用項目主な内容見積もりで確認すること
カメラ本体屋内・屋外、画質、暗所撮影、音声、検知機能台数、型番、必要な機能
レコーダーDVR・NVR、本体設定、チャンネル数既存機器の流用可否、対応解像度
HDD録画データを保存する記憶装置容量、台数、保存日数
配線工事同軸ケーブル、LANケーブル、配管流用範囲、引き直す区間
電源・給電AC電源、電源装置、PoEスイッチ新設、交換、給電容量
設置工事カメラ交換、位置変更、画角調整屋外、高所、営業時間外作業
撤去・処分古いカメラ、レコーダー、配線の撤去撤去範囲、廃棄費
初期設定録画設定、遠隔閲覧、利用者登録設定移行、操作説明
保証・保守故障受付、現地対応、定期点検対応範囲、期間、別料金

DVRは主にアナログ方式のカメラ映像を記録する機器、NVRは主にIPカメラの映像をネットワーク経由で記録する機器です。

現在の方式を維持し、配線や周辺設備を流用できれば、交換範囲を限定できます。方式を変更する、台数を増やす、設置位置を移す場合は、レコーダーや配線まで見直します。

法人向け防犯カメラの費用内訳は、法人向け防犯カメラの設置費用でも解説しています。

入れ替え前に既存設備を調査する

見積もり依頼前に、現在の設備を確認します。メーカーや型番が分からないときは、機器の正面、背面端子、型番シール、配線盤を撮影してください。

カメラの方式と台数

まず、既存カメラがアナログカメラかIPカメラかを確認します。

確認する項目は次のとおりです。

  • カメラのメーカーと型番
  • 設置台数
  • 屋内用か屋外用か
  • 同軸ケーブルかLANケーブルか
  • 電源の取り方
  • 現在の画質
  • 夜間映像の状態
  • 故障している台数
  • 今回増設する台数

方式が不明でも、配線と録画機の端子を確認すれば、業者が設備構成を調査できます。

レコーダーとHDD

レコーダーは、新しいカメラとの接続可否だけでなく、解像度、チャンネル数、録画容量、遠隔閲覧機能も確認します。

  • メーカーと型番
  • DVRまたはNVR
  • 最大接続台数
  • 現在の接続台数
  • 対応するカメラ方式
  • 対応解像度
  • HDD容量
  • 現在の保存日数
  • メーカーの保守状況
  • エラーや再起動の有無

空きチャンネルがあっても、必要な解像度や録画容量に対応できなければ、そのまま増設はできません。

配線・配管・電源

天井裏、壁内、屋外配管、地中配管に敷設されたケーブルは、入れ替え費用へ大きく影響します。

次の状態を確認します。

  • 配線の種類
  • 配線距離
  • 屋内・屋外の区分
  • 端子の腐食や破損
  • 配管の空き
  • 中継機器の有無
  • 電源位置
  • PoEスイッチの給電容量
  • 高所作業の有無

PoEは、LANケーブルを使って映像通信と電力供給を行う方式です。IPカメラへ更新する際は、LAN配線だけでなく、PoEスイッチのポート数と給電容量も確認します。

PoE配線の基本は、PoE給電とは?防犯カメラ配線の仕組みをご確認ください。

既存配線を流用できる条件

既存配線を流用できるかは、配線方式、劣化、距離、新しい機器の仕様で決まります。

同軸ケーブルを流用する場合

既存設備がアナログ方式で、新しいカメラも同軸配線に対応する方式なら、既存ケーブルを利用できることがあります。

ただし、次の状態では交換や補修が必要です。

  • ケーブルが劣化している
  • 端子に腐食や緩みがある
  • 屋外接続部へ水分が入っている
  • 映像にノイズが出ている
  • 配線距離が機器の条件を超えている
  • ケーブル規格が新しい機器に合わない

同軸配線を残したまま高画質化できる構成もありますが、選べる機器や将来の拡張方法は限定されます。今回の更新だけでなく、次回の増設や保守も含めて方式を選んでください。

LANケーブルを流用する場合

既存設備がIPカメラで、LANケーブルの規格と状態が新しい機器に適合すれば、既存配線を利用できます。

確認する項目は次のとおりです。

  • ケーブルカテゴリー
  • 配線距離
  • PoEへの対応
  • 端子の施工状態
  • 屋外用ケーブルか
  • 中継するスイッチの通信速度
  • ネットワーク構成
  • 給電容量

ケーブルが通っていても、通信速度や給電条件を満たさなければ、映像の停止や再起動の原因になります。

アナログからIPカメラへ変更する場合

アナログカメラからIPカメラへ変更すると、レコーダー、配線、給電、ネットワークの構成が変わります。

すべての同軸ケーブルを必ず撤去するとは限りませんが、変換機器を利用する構成には、対応する解像度、通信距離、給電、保守の条件があります。

初期費用だけでなく、増設、遠隔閲覧、メーカーサポート、故障時の切り分けを含めて比較します。

レコーダーを流用できる条件

新しいカメラを既存レコーダーへ接続するには、方式と仕様が一致している必要があります。

確認する項目は次のとおりです。

  • 対応する映像方式
  • 対応解像度
  • 最大チャンネル数
  • HDDの最大容量
  • 録画フレームレート
  • 音声記録
  • 人物・車両検知などの機能
  • 遠隔閲覧
  • メーカー保証
  • ファームウェア更新

IPカメラとNVRでは、ONVIFに対応している機器同士でも、すべての機能が動作するとは限りません。映像は表示できても、音声、動体検知、人物検知、カメラ設定、遠隔操作が制限されることがあります。

他社製品を組み合わせるときは、接続試験と保証範囲を見積書や提案書へ記載してもらいます。

入れ替え方法は3つに分かれる

入れ替え方法主な工事適用を検討する状態
カメラだけ交換既存配線・レコーダーを残し、カメラを交換配線とレコーダーが新機器に対応している
カメラとレコーダーを交換配線を残し、両方の機器を更新配線は利用できるが、録画機の仕様が不足している
システム全体を更新カメラ、レコーダー、HDD、配線、電源を更新方式変更、配線劣化、大規模増設、保守終了

部分交換は工事範囲を限定できますが、古い設備を残すことで、更新後に別の箇所が故障することもあります。

全体更新は工事範囲が広がりますが、機器構成と保証窓口を統一できます。どちらが適切かは、現在の故障状況、導入年数、必要な録画期間、今後の増設計画で判断します。

入れ替え費用が上がる条件

次の条件が加わると、機器費と工事費が増えます。

カメラ台数を増やす

4台から8台へ増設する場合は、カメラ代だけでなく、レコーダーのチャンネル数、HDD容量、配線、PoE給電、モニター表示を見直します。

設置位置を変更する

死角を減らすために設置位置を変えると、既存配線を延長できず、新しい配線ルートが必要になることがあります。

屋外・高所で作業する

屋外対応機器、防水処理、配管、高所作業車、足場、道路使用などが工事条件へ加わります。

営業時間外に工事する

店舗や工場の稼働を止められない場合は、夜間・休日作業や複数日に分けた工事が必要です。

古い機器を撤去・廃棄する

機器の取り外し、配線撤去、穴の補修、廃棄処分、原状回復を見積もりへ含めます。

移転先へ移設する

閉店・移転に伴う移設では、既存物件での撤去、運搬、移転先の配線、再設置、設定、原状回復が必要です。機器の状態や規格が移転先に合わなければ、移設ではなく更新を選びます。

見積書で比較する項目

入れ替え工事では、各社がどこまで既存設備を流用する前提なのかをそろえて比較します。

比較項目確認する内容
流用範囲配線、配管、電源、レコーダー、HDD、モニター
新設範囲カメラ、配線、電源、ネットワーク機器
機器仕様型番、画質、暗所性能、屋外性能、検知機能
録画条件保存日数、画質、フレームレート、上書き設定
工事内容交換、増設、移設、高所、夜間、設定
撤去・処分古い機器と配線の撤去、廃棄、補修
動作確認夜間映像、録画再生、遠隔閲覧、通知
保証機器保証、施工保証、初期不良対応
保守障害受付、現地対応、定期点検、費用
追加費用現地調査後に追加となる条件

見積書に「既存配線流用」とだけ記載されていると、どの区間を流用するのか判断できません。カメラごと、配線区間ごとに流用と新設を分けてもらいます。

防犯カメラ工事の見積書で確認する項目は、防犯カメラ工事の見積もりで確認する12項目で詳しく解説しています。

工事範囲をそろえて複数社の見積もりを比較する

防犯カメラの入れ替え費用は、台数だけでは決まりません。既存設備の流用範囲、配線距離、電源工事、高所作業、録画方式、撤去、保守を含めて比較する必要があります。

1社だけの見積もりでは、提示された流用範囲や工事方法が自社に適しているか判断する材料が不足します。複数社へ同じ設備情報と希望条件を伝え、機器構成、工事内容、保証、総額を並べてください。

法人・個人事業主が、防犯カメラ入れ替えの見積もりを複数社へ依頼できる比較サービスがあります。問い合わせ後、希望条件を確認する電話連絡が入ることがあります。

複数社の見積もりや提案内容を比較してから判断したい方へ

法人向け防犯カメラの見積もりを比較する

見積もり依頼前に整理する情報

業者へ連絡する前に、次の情報をまとめます。

  • 施設の種類と所在地
  • 現在のカメラ台数
  • 交換する台数
  • 増設する台数
  • カメラとレコーダーのメーカー・型番
  • 配線方式
  • 設置時期
  • 現在の不具合
  • 改善したい画質や死角
  • 必要な保存日数
  • 遠隔閲覧の利用人数
  • 工事可能な曜日・時間
  • 賃貸・共用部の工事条件
  • 希望する更新時期

図面、設置写真、機器の型番写真、過去の見積書があれば、現地調査前の資料として共有します。

賃貸・テナント・共用部で確認すること

賃貸店舗、テナントオフィス、ビル・マンション共用部では、配線、穴あけ、機器撤去、原状回復について管理会社やオーナーの承諾が必要になることがあります。

見積もり前に次の項目を整理してください。

  • 賃貸借契約と管理規約
  • 穴あけできる場所
  • 共用部へ設置できる範囲
  • 電源を利用できる場所
  • 配線ルート
  • 工事申請
  • 作業時間
  • 原状回復
  • 既存機器の所有者

既存設備が建物側の資産なのか、入居者側の資産なのかによって、撤去や交換の手続きが変わります。

入れ替え後に確認すること

工事完了後は、設置されたことだけでなく、録画と運用を確認します。

  • 全カメラの画角
  • 昼間と夜間の映像
  • 録画再生
  • 日時設定
  • 保存日数
  • 上書き設定
  • エラー通知
  • 遠隔閲覧
  • 利用者権限
  • 機器台帳
  • 保証書と連絡先

古い機器から設定を移した場合も、録画スケジュール、通知先、利用者アカウントを改めて確認してください。

よくある質問

古い配線はそのまま使えますか?

配線方式、規格、劣化、距離が新しい機器の条件を満たしていれば利用できます。端子の腐食、屋外配線の劣化、映像ノイズがあるときは、補修または交換が必要です。

レコーダーも交換する必要がありますか?

新しいカメラの方式、解像度、台数、録画容量に対応していれば利用できます。対応仕様が不足する、メーカーサポートが終了している、動作が不安定なときは交換を検討します。

アナログカメラからIPカメラへ替えると工事範囲は広がりますか?

録画機、配線、給電、ネットワークの構成が変わるため、同じ方式での交換より工事範囲が広がります。同軸ケーブルを利用する変換構成もありますが、対応機能と保守条件を確認してください。

他社製カメラを既存レコーダーへ接続できますか?

仕様が一致すれば接続できる機器もあります。ただし、ONVIF対応だけで完全な互換性は判断できません。映像、音声、検知、遠隔操作、保証の範囲を接続試験で確認します。

入れ替え費用を比較するときに最も重要なことは何ですか?

各社へ同じ条件を伝え、流用範囲と新設範囲をそろえることです。総額だけでなく、機器型番、配線、撤去、設定、保証、保守を並べて比較してください。

次にすること

古い防犯カメラの入れ替えは、次の順番で進めます。

  1. 現在の不具合と改善したい点を整理する
  2. カメラ、レコーダー、HDD、配線、電源の構成を記録する
  3. 流用を希望する設備と増設・移設の有無をまとめる
  4. 必要な画質、保存日数、遠隔閲覧、通知を決める
  5. 賃貸・共用部の工事条件を確認する
  6. 現地調査を依頼する
  7. 流用範囲、新設範囲、撤去、保証をそろえて複数社を比較する
  8. 工事後に画角、夜間映像、録画再生、保存期間を確認する

入れ替え費用は、既存設備の状態と工事方法によって変わります。法人・個人事業主が、同じ条件で複数社の見積もりを確認できる比較サービスがあります。問い合わせ後、条件確認の電話連絡が入ることがあります。

複数社の見積もりや提案内容を比較してから判断したい方へ

法人向け防犯カメラの見積もりを比較する

法人防犯カメラナビ|法人向け防犯カメラの導入・比較ガイド