万引きが続く店舗の防犯カメラ設置位置|出入口・売場・レジの優先順位

トラブル対応

「防犯カメラを設置しているのに万引き被害が続いている」「録画映像を確認しても、どこで商品が持ち出されたのか分からない」。

このような店舗では、単純にカメラ台数を増やす前に、現在の設置位置と撮影範囲を見直す必要があります。

店舗の防犯カメラには、大きく分けて次の役割があります。

  • 出入口で入退店した人物を記録する
  • 売場で商品棚周辺の行動を記録する
  • レジ周辺で会計時の状況を記録する
  • バックヤードや搬入口で在庫の移動を記録する

1台の広角カメラですべてを撮影しようとすると、店舗全体の動きは確認できても、人物や商品の細かな状況を確認できないことがあります。

反対に、狭い範囲だけを撮影すると、その前後の行動が分からなくなることがあります。

そのため、万引き被害が続いている店舗では、「人物の特徴を確認する映像」と「売場での行動を確認する映像」の役割を分けて設計することが重要です。

この記事では、法人・個人事業主の店舗運営担当者に向けて、次の内容を解説します。

  • 既存カメラで最初に確認すること
  • 出入口・売場・レジ・バックヤードの役割
  • 設置位置の優先順位
  • 死角を減らすための考え方
  • 画質・照明・録画期間の確認
  • 従業員が映る場合の運用
  • 業者へ相談する前に整理する情報

防犯カメラは、設置すれば万引きを必ず防げる設備ではありません。

店舗スタッフの対応、商品陳列、店内巡回などと組み合わせながら、被害状況を確認するための記録設備として活用してください。

※本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれます。掲載内容は執筆時点の情報をもとにしています。機器の仕様、工事条件、保証、サービス内容は変更されるため、依頼前にメーカーや事業者の公式情報をご確認ください。

結論|万引きが続く店舗は「人物」と「行動」を分けて撮影する

既存カメラを見直すときは、次の2種類の映像が残っているか確認します。

人物の特徴を確認する映像

出入口などで、入退店した人物の服装や持ち物などを確認するための映像です。

売場での行動を確認する映像

被害が発生している商品棚や通路周辺で、人物がどこを移動し、どの商品付近にいたのかを確認するための映像です。

天井の高い位置に広角カメラを1台設置しただけでは、売場全体は見えても人物が小さく映ることがあります。

一方、出入口だけを狭く撮影しても、売場内で何が起きたのかは確認できません。

そのため、カメラ台数を検討する前に、

  • 出入口で人物の特徴を確認できるか
  • 被害が多い売場を確認できるか
  • 入店から退店までの動線を追えるか

を確認します。

設置位置を決める前に被害状況を整理する

万引き対策では、「空いている場所へカメラを追加する」のではなく、被害が発生している場所と時間帯から設置位置を決めます。

被害が発生している売場

棚卸差異や在庫不足が多い商品カテゴリーを確認します。

たとえば、

  • 化粧品
  • 医薬品
  • 酒類
  • 小型家電
  • 高単価商品
  • 持ち運べる小型商品

など、被害が集中している商品が分かれば、優先する売場を絞れます。

被害が発生している時間帯

曜日や時間帯も整理します。

特定の時間帯に被害が集中している場合は、その時間帯の店内照明、混雑状況、スタッフ配置も確認します。

什器による死角

店舗では、カメラ設置後に商品棚や販促什器を変更することがあります。

背の高い棚、エンド什器、季節催事の仮設什器などによって、設置当初にはなかった死角が生まれることもあります。

現在の映像を確認し、

  • 棚に隠れている場所
  • 柱で見えない場所
  • カメラ同士の撮影範囲が途切れている場所

を整理してください。

人の移動経路

出入口が複数ある店舗では、どこから入り、どこから退出できるかを確認します。

売場から、

  • 正面入口
  • 裏口
  • 搬入口
  • 従業員通用口

などへ移動できる場合は、それぞれの役割を整理します。

出入口カメラ|入退店した人物を記録する

万引き被害が続く店舗では、出入口は優先度の高い設置場所の一つです。

売場での行動が記録されていても、出入口で人物の特徴を確認できなければ、映像を確認するときの情報が不足することがあります。

出入口では次の項目を確認します。

  • 入店・退店する人物がどの程度の大きさで映るか
  • カメラが高すぎる位置から見下ろしていないか
  • 帽子などで顔周辺が隠れたときの映り方
  • 日中の逆光
  • 夜間の照明
  • 自動ドアやガラスへの反射

入口の外が明るく店内が暗い場合、人物がシルエット状に映ることがあります。

営業時間帯によって光の入り方が変わる店舗では、実際の映像を時間帯別に確認してください。

また、出入口が複数ある場合は、すべてを同じ優先度で撮影するのではなく、利用頻度や被害時の動線から優先順位を決めます。

売場カメラ|被害が多い棚と通路の動きを確認する

売場カメラでは、店内全体を広く映すことだけを目的にしないことが重要です。

確認するのは、

  • どの通路を移動したか
  • どの商品棚付近にいたか
  • 被害が多い売場でどのような行動があったか

といった流れです。

被害が多い売場を優先する

すべての商品棚を同じ密度で撮影する必要はありません。

被害が集中している売場が分かっている場合は、そのエリアを優先します。

棚による死角を確認する

カメラを天井へ設置していても、棚の高さによって手元や商品付近が見えないことがあります。

現地調査では、実際の棚の高さとカメラ位置を確認してください。

広角だけに頼らない

広角カメラは広い範囲を記録できますが、映像内の人物や商品は小さくなります。

店舗全体を確認するカメラと、被害が多い商品棚を確認するカメラを分ける方法も検討します。

レジ周辺カメラ|会計時の状況を記録する

レジ周辺のカメラは、万引きだけでなく、

  • 未精算商品
  • 会計時の認識違い
  • 金銭トラブル
  • レジ操作

などを確認する用途にも使われます。

ただし、1台ですべてを撮影すると必要な部分が小さく映ることがあります。

最初に、

  • 客側の人物
  • カゴやカート
  • 袋詰め台
  • 従業員の操作範囲

のうち、何を記録する必要があるか決めてください。

従業員が継続的に撮影対象となる場合は、防犯カメラを設置する目的と映像の利用方法を社内で整理し、事前に周知します。

また、決済端末など機密性の高い情報が映り込まないよう撮影範囲にも配慮してください。

バックヤード・裏口|在庫の移動経路を確認する

在庫差異が発生している場合、原因が必ず売場にあるとは限りません。

バックヤード、搬入口、裏口なども確認対象になります。

主な設置候補は、

  • バックヤードの出入口
  • 在庫保管エリアへの出入口
  • 搬入口
  • 従業員通用口

です。

ただし、従業員が働く場所を撮影する場合は、設置目的と必要性を明確にしてください。

更衣室やトイレなどプライバシー性の高い場所は撮影対象にしません。

映像を閲覧できる担当者や保存期間も事前に決めます。

防犯カメラの設置位置は優先順位を決める

限られた予算ですべての場所へカメラを設置できない場合は、被害状況に応じて優先順位を決めます。

一般的な検討順は次のとおりです。

設置場所主な役割優先度の考え方
出入口入退店した人物の記録基本的に最優先
被害が多い売場商品棚周辺の行動記録被害場所が特定できる場合は優先
レジ周辺会計・未精算などの確認店舗運営上の重要度も考慮
バックヤード・裏口在庫移動・持ち出し経路在庫差異の状況から判断
店外・駐車場店外の移動や車両確認店舗条件によって判断

この順番は固定ではありません。

たとえば、特定の商品棚で被害が集中している店舗では、出入口と同時にその売場を優先します。

一方、在庫差異の原因が売場かバックヤードか分からない店舗では、両方の動線を確認する必要があります。

また、必要台数を「売場面積○㎡につき1台」のように一律で決めることはできません。

什器の配置、天井高、出入口数、既存カメラの位置によって必要台数は変わります。

現在の設置位置では死角が残る、どの場所を優先すべきか判断できない、既存カメラを活用しながら増設したい場合は、店舗の現地条件を確認できる防犯カメラ業者へ相談する方法があります。

法人・個人事業主向けのサービスです。問い合わせ後、店舗の間取りや現在の設備状況を確認する電話連絡が入ることがあります。

設置条件に合う防犯カメラ業者を探したい方へ

設置条件に合う防犯カメラ業者を探したい方はこちら

カメラを増設する前に既存映像を確認する

万引き被害が続いているからといって、すぐにカメラを増設する必要があるとは限りません。

まず既存カメラの映像を確認します。

確認するのは次の項目です。

  • 人物が小さすぎないか
  • 被害が多い棚が死角になっていないか
  • 出入口映像と売場映像を時間順に追えるか
  • 什器変更によって死角が生まれていないか
  • 映像が暗すぎないか
  • 録画期間が不足していないか

カメラ位置の変更や画角調整だけで改善できることもあります。

一方、撮影範囲そのものが不足している場合は増設を検討します。

画質・照明・録画期間も設置位置と合わせて確認する

適切な場所へ設置しても、録画条件が合っていなければ必要な映像を確認できません。

解像度と画角

広い範囲を撮影すると、画面内の人物は小さくなります。

人物の特徴や商品棚周辺を確認する必要がある場合は、撮影する範囲を絞る方法も検討します。

照明

出入口の逆光、商品棚の影、スポット照明の反射などによって映像の見え方は変わります。

営業中だけでなく、開店直後や閉店前など照明条件が変わる時間帯も確認してください。

録画保存期間

棚卸しで被害に気づく店舗では、実際の被害発生から確認まで日数が経過することがあります。

その時点で映像が上書きされていれば、該当時間帯を確認できません。

必要な保存期間は、

  • 棚卸しの周期
  • 在庫確認の頻度
  • 被害に気づくまでの日数

などを基準に決めます。

カメラを増設すると録画データ量も増えるため、既存HDDの容量も確認してください。

防犯カメラだけで万引き対策を完結させない

防犯カメラは、万引き対策の一つです。

カメラだけに頼るのではなく、

  • 商品陳列の見直し
  • 死角となる什器の配置変更
  • 店内巡回
  • スタッフ間の情報共有
  • 高額商品の管理方法

なども合わせて検討します。

また、被害が発生した際の対応については、店舗内で手順を決めておくことも重要です。

従業員が独自判断で危険な対応を取らないよう、店舗の運用ルールや警察への相談手順などを整理してください。

来店客・従業員のプライバシーに配慮する

店舗の防犯カメラは、来店客だけでなく従業員も撮影する設備です。

導入時には次の内容を整理します。

  • カメラを設置する目的
  • 撮影する範囲
  • 録画映像の保存期間
  • 映像を閲覧できる担当者
  • 映像を書き出す手順
  • 外部へ提供するときの社内手順

従業員が継続的に撮影範囲へ入る場合は、設置目的と運用ルールを社内へ周知します。

来店者に対しても、店舗の運用方針や必要性に応じて防犯カメラ設置の表示を検討してください。

テナントや商業施設内の店舗では、外壁への固定や共用部の撮影、配線工事について管理会社やオーナーへの確認が必要になることがあります。

業者へ相談する前に整理する情報

防犯カメラの設置位置を相談するときは、次の情報を整理しておくと現地確認の材料になります。

項目整理する内容
店舗情報業種、売場面積、天井高
出入口正面入口、裏口、搬入口など
被害状況被害が多い商品、売場、時間帯
店舗レイアウト商品棚、レジ、バックヤード
既存設備カメラ台数、レコーダー、配線方式
現在の問題死角、画質、録画期間など
希望増設、位置変更、設備更新
工事条件営業時間、テナント規約など

可能であれば、

  • 店内図面
  • 現在のカメラ位置
  • 商品棚の配置
  • 既存映像のスクリーンショット

なども用意します。

現在の設備を確認したうえで、カメラを追加するのか、位置を変更するのか、レコーダーまで更新するのかを判断してください。

店舗への設置費用や工事内容については、店舗の防犯カメラ設置費用|レジ・出入口・バックヤード別の工事内容と見積もり比較で解説しています。

よくある質問

防犯カメラを増やせば万引きを防げますか?

カメラ台数を増やしただけで万引きを防げるとは限りません。

死角、画角、照明、録画期間を確認し、商品配置や店内巡回などの運用と組み合わせて検討してください。

出入口と売場ではどちらを優先すべきですか?

店舗の被害状況によって異なります。

出入口は入退店した人物を記録する役割があります。一方、被害が集中している売場が分かっている場合は、その商品棚周辺も優先度が高くなります。

役割が異なるため、予算と被害状況から判断します。

既存レコーダーを使ってカメラを増設できますか?

レコーダーの対応台数、空きチャンネル、対応規格によって異なります。

また、カメラを増設すると録画データ量が増えるため、必要な保存期間を維持できるかHDD容量も確認してください。

従業員が映る場所へカメラを設置できますか?

設置目的、必要性、撮影範囲、映像の管理方法を整理し、従業員へ周知することが重要です。

更衣室やトイレなどプライバシー性の高い場所は撮影対象にしません。

ダミーカメラを設置してもよいですか?

抑止を目的として利用されることはありますが、録画映像は残りません。

被害発生後の状況確認を重視する場合は、実際に録画できる設備を優先して検討してください。

次にすること

万引き被害が続いている店舗では、次の順番で設置位置を見直します。

  1. 被害が多い商品・売場・時間帯を整理する
  2. 既存カメラの映像を確認する
  3. 出入口で人物の特徴を確認できるか確認する
  4. 被害が多い売場の死角を確認する
  5. レジ・バックヤードの記録が必要か整理する
  6. 什器の高さと店舗内の動線を確認する
  7. 必要な録画保存期間を決める
  8. 既存設備を活用できるか確認する
  9. 現地調査をもとに増設・位置変更・更新を判断する

万引き対策では、カメラの台数だけではなく、それぞれのカメラに何を記録させるかを決めることが重要です。

現在のカメラで死角が残っている、出入口と売場の配置をどう組み合わせるべきか分からない、既存設備を活用して増設したい場合は、店舗の間取りや配線を確認できる防犯カメラ業者へ相談してください。

法人・個人事業主向けに、店舗の防犯カメラ設置位置や増設について相談できる業者を探す方法があります。

問い合わせ後、店舗の間取りや現在の設備状況を確認する電話連絡が入ることがあります。

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